-経済産業省委託事業「エネルギー使用状況等の情報提供による家庭の省エネルギー行動変容促進効果に関する調査」の結果公表-
株式会社 住環境計画研究所(代表取締役会長:中上英俊、東京都千代田区)は、オーパワージャパン株式会社(代表取締役:ダニエル・イェーツ、東京都千代田区)、北陸電力株式会社(代表取締役社長:金井豊、富山県富山市)と共同で実施した、経済産業省資源エネルギー庁「平成27年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(エネルギー使用状況等の情報提供による家庭の省エネルギー行動変容促進効果に関する調査)」の調査結果をとりまとめましたので発表します。
家庭部門のさらなる省エネルギーを進めるためには、住宅や機器の性能向上に加えて消費者の省エネルギー行動を促進することが重要です。米国等の諸外国では、消費者にエネルギー使用状況等の情報提供を行うことで行動変容を促し省エネルギー効果が得られるという実証結果が示されています。
本調査では、北陸地域の一般家庭2万世帯(送付世帯)にビッグデータ解析と行動科学を応用して作成したレポートを送付してエネルギー使用状況等の情報提供を行い、レポートを送付しない2万世帯(比較対照世帯)と比較することで、情報提供が省エネルギー意識の向上や省エネルギー行動の促進にどの程度有効であるかを調査・検証しました。
【結果概要】
① レポート送付から2ヶ月後で1.2%の省エネルギー効果
・レポート送付の1ヶ月後は0.9%、2ヶ月後は1.2%の省エネルギー効果を確認。
・諸外国の類似事業の早期段階と比べても同等以上の高い効果で、送付を継続すれば省エネルギー効果は1.5~2.0%程度になると考えられる。
・仮に1.2%~2.0%の省エネルギー効果を日本全国の家庭に拡大することができた場合、年間約28~47億kWh(冷蔵庫1,500~2,600万台分の買換効果(投資金額2~3兆円)、住宅用太陽光発電50~80万件分の発電量(投資金額0.9~1.4兆円))のエネルギー削減ポテンシャルに相当。
② よく似た家庭との電力消費量の比較が行動変容を促進
・レポート送付世帯の8割が受領を認知、そのうち9割がレポートを閲覧。
・レポート送付世帯は、省エネルギー行動の実施頻度と省エネルギー意識が向上。
・よく似た家庭(同じ契約容量・料金メニューで近隣に居住)より電気を多く使用していることを示された世帯ほどレポートに強く反応し、省エネルギー行動につなげる傾向。
③ レポート送付世帯は電力会社に対する評価が向上
・レポート送付世帯の1/3が、電力会社のイメージが良くなったと回答
・送付世帯は比較対照世帯と比べ、電力会社の省エネサービスに対する評価が向上。
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社 住環境計画研究所(http://www.jyuri.co.jp/)
担当:平山、鶴崎
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