ZEB(Zero Energyr Building)の実現に資する基本要素として、外皮性能の向上や高性能設備等の導入といった要素技術に加え、『内部発熱の低減』(OA 機器の省エネを含む)が掲げられている。内部発熱は、通常の空調設備設計では床面積当たりの原単位として与えられる。従来の原単位は、室用途に応じて一意に設定されるため、OA機器の省エネを勘案した設計には適さない。従って、ZEB達成を目指す空調設備設計には、柔軟かつ合理的なOA機器の発熱量設定法が新たに必要となる。
そこで、本研究では、ZEB達成を目指す空調設備の設計支援を目的として、業態による執務者等の使用行動の相違を勘案したOA機器の発熱量設定法の検討に向け、オフィスを対象としたOA機器の保有状況に関する実態調査を実施した。実態調査結果から、事務スペースを主として使用する職種により発熱量に差異が生じる要因について考察した。さらに、整理した保有状況からOA機器の消費電力を推計し、既存資料との比較を行った。
本報ではOA機器の保有状況に関する実態調査の結果から、事務スペースを使用する職種により、機器の稼働率や個人使用のOA機器の保有数量が異なり、機器発熱量に差異が生じる可能性が示唆された。
- 論題
- オフィスにおける OA 機器の保有状況に関する実態調査 その 1 調査概要および保有率・保有数量に関する集計結果
- 著者
- 羽原宏美, 水谷傑, 玄姫, 中村美紀子
- 掲載誌
- 日本建築学会大会学術講演梗概集(東北), P1495-1496, 2018年9月