近年は集合住宅向けの太陽光発電や SOFC も販売が開始されていることから、戸建住宅とともに、集合住宅への導入意向も検討することが重要である。今後、エネルギーに対する関心がさらに高まることが考えられることから、現在エネルギーに対する関心が高い人々を対象に、将来の住み替え意向と分散型電源の導入意向との関係を把握することは、一層の分散型電源の普及を目指す上で有効であると考えられる。本研究では、アンケート調査により分散型電源に対する人々の意識と導入意向及びその理由を、居住する住宅の建て方・所有関係に着目して明らかにすることにより、今後住宅における分散型電源の普及を促すための示唆を与えることを目的とした。アンケート結果では、戸建住宅への分散型電源の導入意向は、世帯年収が多く、建物の築年数が新しいほど、導入済みあるいは導入したい意向が高い結果となった。また、戸建住宅だけではなく集合住宅においても、将来の分散型電源導入住宅への居住意向は高いことが明らかとなった。したがって、分散型電源の導入・メンテナンスコストの低減や設置条件が改善されれば、戸建住宅、集合住宅ともに分散型電源導入住宅の普及可能性はあるといえる。
- 論題
- 住宅における分散型電源の導入意向に関する研究 -住宅の建て方・所有関係に着目して-
- 著者
- 長岡 篤, 矢田麻衣, 金島正治
- 掲載誌
- 日本不動産学会2016年度秋季全国大会(第 32 回学術講演会)審査付論文