本研究は、健康増進のためのウォーキングに適した空間に着目し、近隣の人口を推計することで、ウォーキング空間の行政区域間の差を分析した。本研究では、幅員2.5m以上の歩道を確保できる歩道ネットワーク、および自治体の保健部局が主導して作成したウォーキングコースをウォーキング空間とした。その結果、ウォーキング空間に近隣する人口に行政区域の間で違いが存在することが明らかになった。具体的には、歩道ネットワークとウォーキングコースの双方にアクセスしやすい人口の割合が75%を超える区が5区、25%を下回る区が7区存在することがわかった。ウォーキング空間の拡充のためには、保健部局と建設部局の連携を深めることの重要性を指摘した。
- 論題
- ウォーキング空間へアクセスしやすい人口の地域差: 歩道ネットワークと行政指定ウォーキングコースに着目して
- 著者
- 崔 文竹, 松橋 啓介, 石河 正寛, 金 炅敏, 有賀 敏典
- 掲載誌
- 都市計画論文集, 57(3), 887-894, 2022.