家庭CO2統計の個票データを用いて住宅と自動車の利用に伴う現況の一人あたり年間排出量を求める回帰式を作成するとともに,3次メッシュ単位の排出量分布を図示できるようにした.回帰式は住宅と自動車の別に作成し,県単位の統計を検証値として先行研究の排出量推計モデルなどとの比較を踏まえて予測性能を評価した.住宅に関しては本研究の回帰式,自動車に関しては陳ら(2018)の方法を用いることで県単位の統計と高い整合性をもつ現況の 3次メッシュ別一人あたり排出量を求めることができる.この2つの方法で推計した住宅と自動車の一人あたり排出量の合計は3t-CO2/人を中心に多くのメッシュが分布し,また合計に占める自動車分の割合は15~65%の幅が生じる結果となり,松橋ら(2018)の行った市区町村別の分析と整合する結果を得た.
- 論題
- 住宅と自動車の利用に伴うメッシュ別CO2排出量の推計と考察
- 著者
- 石河 正寛, 陳 鶴, 松橋 啓介, 金森 有子, 有賀 敏典
- 掲載誌
- 土木学会論文集G(環境), 76(6), II_199-II_207, 2020.