全国的な人口減少傾向を背景として,「多世代参加型ストックマネジメント手法の普及を通じた地方自治体での持続可能性の確保(Open Project on Stock Sustainability Management: OPoSSuM)」のプロジェクト活動の中で著者らが実施した「空き家地図の作成」について解説する。地域の空き家地図を提示することで,まちの将来像に関するイメージを喚起しやすくなる。人口減少には地域差があることを踏まえることで,空き家をどう活用するか,道路や上下水道などのインフラやゴミ収集サービスなどの都市生活サービスをどうしていくかといった議論を促進することに活用された。空き家の選定方法について実際の空き家発生メカニズムを反映すること,国勢調査とゼンリンの調査データの調査年や分類区分のずれを補正することなどが今後の主な課題である。
- 論題
- 人口減少社会における空き家地図の作成
- 著者
- 松橋啓介, 石河正寛
- 掲載誌
- 地球環境, 24(2), 145-150, 2019.