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メッセージ配信媒体が家庭向けデマンドレスポンスプログラムの節電効果に与える影響の分析

電力需給逼迫を受け,家庭向けデマンドレスポンス事業が国内でも数多く実施されている.従来の節電プログラムではメールやアプリを通じて節電依頼が行われるが、配信媒体による節電効果の差は検証されていない。本研究では,メッセージ配信媒体による家庭向けDRの節電効果の比較検証を目的として,エネルギー小売事業者の需要家を対象に給湯器リモコンとスマートフォンアプリを通じて電力削減を促すメッセージを配信し, ランダム化比較試験(Randomized Control Trial: RCT)により冬季電力需給ひっ迫時の節電効果の差を分析した.
メッセージ配信の当日既読率はアプリ配信(5.9%~11.5%)に比べ,リモコン配信(11.1%~17.9%)が高く,両方対応群における配信日ごとの比較ではリモコン配信の既読率はアプリ配信の1.4~1.7倍であった.メッセージ配信者全体における平均介入効果は-0.1%~-1.2%で,配信媒体の差は見られなかった.メッセージ既読者における平均介入効果は0.3%~-2.1%で,リモコン配信と比較してアプリ配信の効果が大きい結果であった.

The purpose of this study was to compare the effects of message delivery media on household demand response (DR) in Japan. We conducted a randomized controlled trial (RCT) to analyze the difference in the effects of power reduction between message delivery via a water heater remote controller and a smartphone app. The target of the study was energy retailers’ customers. The results showed that the message read rate on the day of delivery was higher for remote controller delivery (11.1% to 17.9%) than for app delivery (5.9% to 11.5%). The read rate of remote controller delivery was 1.4 to 1.7 times higher than that of app delivery in both corresponding groups. The average treatment effect for all message delivery recipients was -0.1% to -1.2%, and there was no difference in the delivery media. The average treatment effect for message readers was 0.3% to -2.1%, and the effect of app delivery was greater than that of remote controller delivery.

論題
メッセージ配信媒体が家庭向けデマンドレスポンスプログラムの節電効果に与える影響の分析
著者
平山翔
掲載誌
第42回エネルギー・資源学会研究発表会講演論文集, pp.41-44, エネルギー・資源学会, 2023年8月

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