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ナッジによるエネルギー消費行動変容と脱炭素化方策

近年,カーボンニュートラルに向けた取組が世界各国で加速している。今世紀半ばまでのカーボンニュートラル目標を表明している国や地域は2021年11月時点で,154か国・1地域にまで拡大した(1)。温室効果ガスのうちエネルギー起源二酸化炭素(CO2)の削減では,再生可能エネルギーの供給と,需要サイドの効率化や燃料転換等が主要な施策として挙げられてきている。このような中で,近年では行動変容が着目されるようになってきた。
本稿では,人間の行動特性を踏まえてナッジ(そっと後押し)することで省エネルギー・脱炭素化を促した事例を中心に,ナッジ応用の国内外動向やナッジ応用のためのフレームワークを紹介する。各施策の効果は小さく単独で脱炭素化を実現するだけの効力はないが,IEAの推計で示すとおり消費者の関与なしにネットゼロエネルギーを実現することは難しく,またナッジは汎用性や拡張性が高く,従来型政策手法の補完ツールとしてなり得る。

論題
[寄稿]ナッジによるエネルギー消費行動変容と脱炭素化方策
著者
平山翔
掲載誌
季報エネルギー総合工学,Vol.45 No.2(2022.07)

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