(1) 目的:
GIGAスクール構想では、「1人1台端末・高速通信環境」により学習活動の一層の充実と主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が提案されている。昨年はコロナ禍となり、今後の災害や感染症の発生等による学校の臨時休業等の緊急時においても、ICTの活用により全ての子供たちの学びを保障できる環境を早急に実現する必要性が生じている。そこで、これまで我々が開発した[省エネ教育プログラム]をオンラインや家庭学習で活用することで省エネ意識の向上や行動変容につながるのか、大学生を対象に効果検証を行うこととした。
(2) 方法:
対象者は、T大学3年生104名とし、4週間の連続した45分の時間をwebexを使用したリアルタイムのオンライン授業を4回実施し、デジタル教材を活用しながら展開した。毎回電気・ガス・水道のメーターの読み取りと省エネ行動の実践状況を記録させ、体験学習(エコ・クッキング)については自宅で各自実施させ、行動プランシートと出来上がりの写真を提出させた。得られた結果より、昨年実施した対面授業と比較を行い、検証することとした。
(3) 結果:
オンライン授業では双方向の授業となるようwebexのチャット機能を使用して、各自の意見を述べさせ、クラスで共有し、教室で授業を受けた場合と差がないように工夫した。[省エネ教育プログラム]を活用し、デジタル教材を活用したオンライン授業を行った結果、電気・ガス等のエネルギー消費量の減少や省エネ行動の実践、環境問題への意識変化などが見られ、昨年の対面授業と比較しても、遜色ない行動変容が得られることが示唆された。
本研究は、環境省「2020年度 低炭素型の行動変容を促す情報発信(ナッジ)等による家庭等の自発的対策推進事業」の一環として東京ガス(株)と東京家政大学の共同研究として実施したものである。
- 論題
- 省エネ教育プログラムにおけるオンライン授業の効果
- 著者
- 赤石 記子, 三神 彩子, 矢田 麻衣, 平山 翔, 長尾 慶子
- 掲載誌
- BECC JAPAN2021, 2021年8月