家庭用蓄電池システムについては、災害等における停電時の非常用電源や、太陽光発電等自然エネルギー由来電力の固定価格買取制度における買取価格の低下ならびに設備設置10 年経過による制度の対象外となることなどから、今後導入の増加が予想される。また、太陽光発電設備をはじめ自然エネルギー由来の発電量は増加しており、一部電力会社などにおいては、電力系統側の制約により新規での系統連系ができない状況も発生している。しかし、家庭用の蓄電池は新しい機器であるため、JISなど公的規格が現状では充実しているとは言い難く、学会等においてもエネルギー利用特性についての知見を蓄えている状況であり、現状で性能を確認することが難しい状況にある。
そこで、蓄電池の特性を把握し、太陽光発電設備と併用することにより、住宅におけるエネルギー効率の高い運用方法の検討を目的として研究を行った。
本報では、既報で作成した評価プログラムを用いて買電量に対するパラメータ感度解析を実施し、家庭用蓄電池・太陽光発電設備一体型システムの一次エネルギー性能評価の計算に必要となる入力パラメータを可能な限り簡略化するための検討を行った。
- 論題
- LCCM住宅における家庭用蓄電池・太陽光発電設備一体型システムの特性把握研究 その6 評価モデルによる感度解析
- 著者
- 岡本洋明, 中村美紀子, 岸田真一, 桑沢保夫, 三浦尚志, 荻野登司, 峰野悟
- 掲載誌
- 日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸), P1023-1024, 2019 年9 月