電力と熱を同時に生産し供給するコージェネレーションユニット(コージェネレーション本体を指し、以下CGU)は、総合効率が高く、非住宅建築物の省エネルギー化の重要な技術となっている。一方で、本年4月より2,000 m2以上の非住宅建築物に対し、建築物のエネルギー消費性能基準の適合義務化が開始し、設計者にとっては、機器の特性を考慮してエネルギー消費性能を精緻に予測することが必須となってきた。
本調査研究は、排熱系統を含む業務用コージェネレーション設備(以下CGS)について、補機系統の電力消費量や負荷追従性等を含めたCGSの運転特性を把握し、それらの影響を加味した計算モデル及びCGS性能評価手法を構築することを目的としている。現在、民生分野では病院・介護施設、スポーツ施設・浴場、飲食施設等に多くの導入事例が見られるものの1)、実際の管理・運転状況や排熱系統を含むシステム全体の稼働状況を把握した調査事例は少ない。そのため計算モデルの構築にあたっては、CGSの管理・運転実態を把握するためのアンケート調査及びヒアリング調査、並びにCGU及びその周辺機器を対象とした実測調査を基に実働性能解析を行い、それらの結果を基に計算精度の向上を目指す。
本報では、CGUの管理・運転実態を把握するために実施したアンケート調査結果について報告している。
- 論題
- 業務用コージェネレーション設備の性能評価手法の高度化に向けた調査 その1 導入状況および運転状況等の把握のためのアンケート調査
- 著者
- 岡本洋明, 中村美紀子, 住吉大輔, 坂口雄一, 伊藤竜一, 桑沢保夫, 宮田征門
- 掲載誌
- 日本建築学会大会学術講演梗概集(中国), P1161-1162, 2017 年 8 月