近年における地球温暖化やヒートアイランド現象を抑制するシステムとして,我々は低温未利用エネルギーのひとつである下水処理水を熱源とした吸収ヒートポンプに注目した.本研究では,三重効用吸収冷温水機の開発で得られた技術を未利用エネルギー活用技術へ転用することを考え,冷房時三重効用,暖房時二重効用を用いた臭化リチウム-水系吸収ヒートポンプシステムを提案し,その性能をCOP,高温再生器内圧力,高温再生器溶液温度,濃溶液濃度,また部分負荷運転時特性,消費エネルギーの観点から定量的な検討を行った.
下水処理水を熱源水として用いることでCOPの向上と,高温再生器内圧力,高温再生器溶液温度,濃溶液濃度の低下が可能であると分かった.また,部分負荷特性やエネルギー消費の観点からも,本想定システムが従来システムよりも効率的であるということが示された.
- 論題
- 未利用エネルギーを利用する吸収ヒートポンプに関する研究
- 著者
- 岡本洋明, 飛原英治, 坂東茂, 岡雅博, 市川徹, 小島弘
- 掲載誌
- 日本冷凍空調学会論文集, Vol.23(3), 51, 2006