本報では目黒区の戸建住宅を対象にアン ケート調査を行い、低負荷型ライフスタイルの実行とエネルギー消費量の関係を検討し、震災前後におけるエネ ルギー消費量とライフスタイルの変化を明らかにした。 目黒区の戸建住宅1000件を対象にライフスタイルに関するアンケートと過去2年分のガス・電力消費量を調査した。低負荷型ライフスタイルの実行による省エネ効果について、機器や行為 による影響力を考慮した係数を低負荷型ライフスタ イルポイントと定義し、445ポイントで評価した。全体的にポイントが高くなると年間電力消費量が低くなる傾向が見られ、2 人世帯が最も平均ポイントが 高く 230、標準偏差 86 となった。震災後は節電の意識が高まっており、2~4人世帯において平均 20%前後の削減率となった。削減率が大きい世帯では40%以上削減した世帯も見られた。電力に対し、ガスは大きな削減が見られず、1 人、2 人、 4 人世帯の平均削減率は10%程度、3人世帯においては5.6%と電力と比べ低い数値となった。電力の削減率の大半がプラス なのに対し、電力の代わりにガスを使用したためガスは削減率がマイナスになった世帯もみられた。震災後当時は節電に対する意識はかなり高まっていたものの、ガス消費量の削減を意識していた世帯は多く見られなかった。
- 論題
- 目黒区における住宅のエネルギー消費量の削減に関する研究 第4報
- 著者
- 矢田麻衣, 湯浅和博
- 掲載誌
- 日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.657-658,(一社)日本建築学会 ( 2013年8月 )